プロフィール
名前:北垣 和也
卒業年:2003年卒業(34期生)
学部・学科:人間学部 社会学科
勤務先:豊岡市立コウノトリ文化館(NPO法人コウノトリ市民研究所)
役職:自然解説員
ホームページURL:http://kounotori.org/bunkakan/
Facebookアカウント:豊岡市立コウノトリ文化館 Toyooka Stork Museum
フットワークを軽くし、本物を見る。
追大での学びを糧に、人もコウノトリも
住みやすい未来をつなぐアドバイザー。
兵庫県豊岡市で生まれ育った北垣少年は、虫や魚を捕って遊び、豊かな自然を全身で感じていました。また、日本最後の野生コウノトリの生息地であったため、コウノトリに関する社会の動きが身近なものでした。その影響を受けたのか、大きくなって興味を持ったのは、自然や生き物たち。クモの研究をしている西川喜朗教授がいることもひとつのきっかけとなり、追大の門戸を叩きました。
入学後は西川教授が顧問を務める生物研究同好会に入会。「先生の調査の手伝いに行ったり、将軍山祭で展示をしたり、合宿で青春18切符を使って屋久島まで縄文杉を見に行ったり。学生時代ならではの活動ができて楽しく、充実していました」
卒業後は西川教授のつながりで大阪市立自然史博物館でアルバイトをして技術的なことを学んだ後、地元の豊岡に戻り森林組合に勤務。
大学時代から在籍していたNPOが豊岡市立コウノトリ文化館を管理することになったのを機に、ここで働くようになりました。
お客様への説明や展示物の作成、淡水魚を専門とした生物調査や環境学習のフィールドワーク主催など、北垣さんの活動は多岐に渡ります。「説明して喜んでもらえたり、関心を持つようになってくださると、やりがいを感じます。環境学習で地域の子ども達がどんどん興味を持ってくれていることは『次世代が育っているな』と嬉しくなるし、ありがたいですね」。そう生き生きと話す北垣さん。「採った虫や魚を見て『おいしそう』と言う子がいて印象的だったのですが、社会学の矢谷慈國先生がよくおっしゃっていた『原点に立ち返ってみること』がまさにこれなのかなと、現場で実感することもあります」とのこと。続けて「『本物を見なあかん』『生き物としてピチピチ生きること』『人間も自然の中の一部だから、人間と自然を切り離して考えない』など、矢谷先生の言葉は強く残っていて、頭の中に基本として置いています」と今に生かされていることを教えてくれました。
独学での限界を感じていた北垣さんは、現在兵庫県立大学大学院で、生態学をより専門的に勉強中。「コウノトリも人間も暮らしやすく、自然全体で豊かに共生できるよう、いろんな地域ともつながって広い範囲で見て活動や研究をしていきたいです」。そう未来をまっすぐ見て話す北垣さん、実は「学生時代はあまり先のことを考えていなかったんですよ」と笑います。「大学当時からは想像もしなかった自分史に、今なっていると思います。たくさんの学びや今につながっているご縁が、追大時代にありました。将来どこでどうつながって新しい道が拓けるか分からないので、学生の皆さんには、人とのつながりを大事にしてほしいですね」
「たくさんの人にぜひ見に来てほしい」と北垣さんが言うコウノトリ文化館は、インバウンドで海外のお客様が増えているそう。北垣さんが思いを馳せる豊かな自然の未来が、コウノトリとともに世界へ広がることを願ってやみません。