プロフィール
名前:鹿島 市右衞 (5期生)
卒業年:1974
学部・学科:経済学部 経営学科
勤務先:カガミクリスタル株式会社
役職:前代表取締役社長
ホームページURL:http://www.kagami.jp
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追大で学んだ理論を活かしたことで
会社を生き残らせた、ゼネラリスト。
「遊びも大事だから、楽しくやらなきゃね」と、タブレットに保存されていたたくさんの写真を見せてくれた鹿島さん。そこに写っているのは、レース用のかっこいい車。「これね、先日サーキットで走ってきた私の車。いま、追大からの友人と一緒に、サーキットで走ることが楽しみでね」。そう言う鹿島さんの御年は67歳!昨年、車のA級ライセンスを取得されたそうで、一昨年にはバイクの大型免許を取得されたんだとか。「大学へ行くと、駐車場に高級車や外車、新車が並んでいて。みんなすごい車に乗って来ていましたね」。車が好きだった鹿島さんは、追大でとても刺激を受けたと言います。
今この趣味を楽しめるようになったのは、それまでの激務を越えたからこそ。鹿島さんは大学時代にアルバイトをしていたことをきっかけに、卒業後、カガミクリスタルへ入社。慣れない東京の本社勤務で建築部材を扱う部署へ配属になり、商品の企画から生産予定管理、販売までを毎日一生懸命やり遂げました。
その後営業職に就き、百貨店担当の責任者として過ごす日々は、多忙を極めていたそうです。カガミクリスタルの品々は、日本における最高級クリスタルと称されるほど美しく、宮内庁や大使館、首相官邸でも使われる逸品。「平成天皇即位の礼や現皇太子様ご成婚の儀の晩餐会で使われるガラス食器で、担当として皇居へうかがう大変光栄な仕事もさせてもらえました」と当時をふり返ります。
「仕事をしていると様々な場でいろいろな人と話すことが多々あるので、基本的な人と人とのコミュニケーション、話を聞くことがとても大事だと実感しました。まず人の話が聞けるかどうか、理解できるかどうか。分からなければ、とことん聞かないといけない。そして、上司に対してもどんな人にでも、自分の考えを言わないといけないし、報告書なども分かりやすく書いて出さないといけない。これは仕事をする上でとても大切なことでした」と、気づきを教えてくれました。
長年の営業職での実績が評価され、突如総務部長に任命された鹿島さん。その時の使命は、経費削減をして利益を出すこと。「営業職時代、売上げがよくならない原因として、何がムダなのかが見えていた。他社の会長に教えられたことや現場で感じていたことから、状況を客観的に見ることができた。だからそこを改善したら利益が出たんですよ。リーマンショックの時も厳しい状況だったけど、やり方など徹底的に見直して改善し、利益の出る会社に変えたんです」
この時役に立ったというのが、大学時代に学んだ経済学。「“資産=負債+資本”という基本理論を大学で習ったことがすごく参考になりました。この理論が分かっていたから、会社で損益が分かる。赤字、黒字を算出する時に、こうしたら利益が出るとすっと読めたのは、大学での学びのおかげです」
こうして鹿島さんは使命を果たし、会社に利益をもたらしました。これがさらに評価され、総務部長から異例の社長へと出世。「社長になったら24時間365日いつでも仕事だと思わないといけないし、いつでも対応できるようにしておかないといけない。だから夜中に起きて携帯電話でメールをチェックするクセは、今でも残っているんです」
まさか社長になるとは思っていなかったという鹿島さん。現在は退職し、実家に残っている文化財になり得るほどの古文書などを、調べたり整理することに精を出しています。
「これからは健康に気をつけて、趣味を充実させたい。まずは車のレースに出たいなぁ」。そう笑いながら話す鹿島さん目の前には、チャレンジし続ける気持ちとともに、明るい道が広がっているようです。