プロフィール
名前:井谷 憲次(6期生)
卒業年:1975
学部・学科:経済学部 経済学科
勤務先:TOA株式会社
役職:取締役会長
ホームページURL:http://www.toa.co.jp
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あきらめない心から、広がる世界。
「継続は力なり」を心に、
世界で活躍するチェアマン。
「とんでもない学校に来てしまったな…」。これが入学式の日、駐車場に憧れの車や高級車がズラリと並ぶ光景を目にした追大の第一印象だったという井谷さん。そこから始まったキャンパスライフは「とにかく楽しかった」と言います。将軍山祭では実行委員として大がかりなキャンプファイヤーの演出を行い、盛りあげた記憶は今でもしっかり残っていると言います。また、4年間全力投球した漕艇部では、日々の厳しいトレーニングにも耐え、初心者からどんどん筋力と実力をつけていきました。そして瀬田川のレガッタで2位に入賞するなど、実績も残しました。「小さい頃身体が弱かったので、ハードな漕艇でメダルを獲ったことに、両親はびっくりしていましたね。この時応援にも来てくれていたし、特にいつも仕事で忙しかった父がとても喜んでくれたんです」と、当時の記憶を辿ります。
「普段なかなか顔を合わせることがなかった」というほど企業戦士だった井谷さんのお父さまは、業務用の音響機器と映像機器の専門メーカーTOA株式会社(旧社名 東亞特殊電機株式会社)の創業メンバー。井谷さんは大学卒業後お父さまから声をかけられ、このTOAへ入社しました。
「文系だったので電気や設備のことが分からないから、入社後はとにかく勉強でした」。技術職の人からマンツーマンで理論を学び、初めての配属先では、倉庫で器材の出荷を手伝いながら商品知識を学ぶ日々。初の営業担当地域ではエリアの隅々まで自分の足で廻り、土地勘を養っていきました。「地区の有線放送や防災行政無線など、拡声放送機器の仕事をしていたので、国道沿いに公共施設を見つけると、何か仕事の種があるかもしれないと全部訪れました。エリアマーケティングですね。こういう勉強や地道な動きをしたからこそ分かったこと、今にも活きていることがたくさんあります」
中でも一番印象に残っている仕事というのが、警視庁の一大プロジェクト。東京へ異動後、中央官庁の担当をしていた井谷さんは「毎日警視庁へ営業に通ったんです。断られてもくじけず、あきらめず、とにかく毎日。そのおかげで2年くらい経ったある日、『警視庁のパトカー車両を大幅に入れ替えるから、搭載するスピーカー類一式の提案をしてほしい』と言われて」。それからアイデアを練って提案し、競合相手を抑えて見事この案件を獲得。努力を重ねて大きな仕事を勝ち取った瞬間のことを「本当に嬉しくて、思わず拳をあげて『やったー!』と飛び上がりました。あの感動は今でも忘れられないくらい、本当に嬉しかったですね」と回想します。
「この警視庁の仕事ができたのも、間違いなく追大の漕艇部で養った根性があったからこそ。自分で考えて始めたことは最後まであきらめない、責任を持ってやりとげるという学生時代に培ったマインドが役に立ちました」
今や世界130カ国以上の国や地域で商品を製造・販売し、グローバル企業として活躍するTOA。「海外へ行くと、chairman(会長)の肩書きがトップ。海外の商談で『社長じゃなくて会長は来ないのか』とよく言われたので、今後の世界での動きを見据えて、私の代で初の会長職を作りました」。企業のトップとしてブレることなく進む方向を明確に示し、社員が働くよりよい環境づくりにも注力する井谷さん。国内外から注目を集めているTOAとともに、井谷さんの熱い想いとあきらめない気持ちは、 今後さらに社会へたくさんの笑い声を響かせていくことでしょう。