プロフィール
名前:長尾 由香里(13期生)
卒業年:1982
学部・学科:文学部 心理学科
勤務先:cafe MAT MAN /コナミスポーツクラブ
役職:cafe MAT MAN オーナー /コナミスポーツクラブ 体育スクールコーチ
ホームページURL:
Facebookアカウント:長尾由香里( yukari nagao)
あきらめない心でメダルを獲得した
レスリングのチャンピオン。
「私も金メダルがほしい!」息子が勝ち取ってきた金メダルを見てそう思ったという、長尾さん。思っても、それを実現できる人はなかなかいません。「当時50歳だった私が金メダルを獲れるならこれしかないと思いチャレンジした」というのが、マスターズのレスリングでした。
大学時代から始めたバスケットを社会人になっても続け、出産後に再びしたいと思ったとき見つけた、市民教室。「私がバスケをしている間に何か子どもにもさせてあげられたらと思って、本人に選ばせたらレスリングと言ったので、始めさせたんです」。これが、長尾さんとレスリングの出会いでした。何も知らずに入ったそのレスリング教室は、実は全国でも強豪のチーム。初心者で幼かった息子さんは、思うように練習が進みませんでした。そこで、子どもに体操を教えるコーチをしていた長尾さんは、息子さんの練習の相手を少しずつするようになり、それを見ていた監督から「他の子の相手もしてやってほしいと」との要望があり、子どもたちの練習につきあうようになりました。
こうやって息子さんを支えながら、レスリングと関わってきた長尾さん。その息子さんはどんどん実力を伸ばし、国内外の試合で活躍。金メダルを持って帰ってくるほどになりました。そこで冒頭の金メダルがほしい思いから、レスリングマスターズ大会で女子の部が始まったことを知り、長尾さん自身も選手としての参加を決意。初出場した第9回全日本マスターズレスリング選手権大会女子の部Bで、いきなり、見事金メダルを獲得。その後もいくつものメダルを勝ち取っています。
そんな長尾さんのキャンパスライフは、部活動が中心でした。「うちは強くはなかったし、大学で体育会系の部活のいろいろなイベントがあったので、そこで頑張ってみようかなと思って。フレッシュマンキャンプや球技大会などでリーダーとなったり、目立つようなことばかりしていました」とふり返ります。その動きが認められ、活躍する学生に贈られるトロフィーが、長尾さんの手に届きました。「バスケ部では活躍できなかったけど、違う方面でがんばってみたら、そこで評価していただけました。追大での一番の思い出です」と笑顔をみせます。
「追大でバスケをしていたことで先輩だった主人と出会い、子どもが産まれ、そこからレスリングに関わってきたことで今の私がある。すべての原点が追大でした。どこにどういう出会いがあるかもわからないし、チャンスがあるかもわからない。『何歳だから』『女性だからこれはできない』ではなくて、可能性はいつでも、いくらでもあると実感しました」
そんな長尾さんの合い言葉は「あきらめない」。「子どもがレスリングを始めた時、みんなについていけなくて泣いて嫌がってもあきらめなかったおかげで、息子も私も金メダルが獲れた。あきらめない心で続けると、それが力になるんですよね」。還暦を機にやめようと考えていたレスリングの道ですが、仲間たちから「何歳までレスリングができるのか、ギネスにチャレンジしてみてほしい」との声があり、これからも選手として続けていくという長尾さん。
「こんなにしんどいスポーツはないと思うくらいだけど、それが、こんなにがんばれるスポーツがあるんだと魅力を感じます」。日課は懸垂、腕立て、スクワット各100回、腹筋120回。オーナーを務める喫茶店にも懸垂台を置いて、隙間の時間でもトレーニングをする日々。そんな長尾さんの名前がギネスブックに記される日は、夢ではないのかもしれません。