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プロフィール

名前:西本 敬太(21期生)

卒業年:1990

学部・学科:文学部 英米語学文学科

勤務先:滋賀県草津市立新堂中学校

役職:生徒指導主事

ホームページURL:

Facebookアカウント:西本敬太

 

愛と情熱を子どもたちに
教え続ける、エデュケーター。

 

 「この写真、見てくださいよ。きれいでしょう」。そう言って西本さんが見せてくれた写真は、ズラリときれいに自転車が並んでいる写真。「学校で『美しい自転車置き場プロジェクト』をしてみたんです。生徒に、駐輪場の自転車は前輪を“壁ドン”、ちょっと詰めたらみんなの自転車が入りやすくなる“思いやり”、この2つでキレイになるんだよと伝えて。帰る時、自転車置き場の合い言葉は~?『前輪を壁ドン!』とみんなで言って下校し、翌朝授業が始まって駐輪場へ行ってみたら、見事にキレイに並んでいて感動しました」。そう明るく楽しく話す西本さんは、中学校の英語教師。物心ついたころから教師になりたかったそうで、高校の先生の薦めで英語の教師を目指しました。

 そんな西本さんに追大での思い出を聞いてみると「3年生の時に語学研修でアメリカに行ったことは、強く印象に残っています。初の英語圏で会話を楽しんだり、いろんなところへ行ったり、友人との絆が深まったり、初めてのことがたくさんで、貴重な経験をしてとても濃い1か月を過ごしました」とのこと。この時、名和先生の英語音声学で上達していた発音を現地で試して自分の実力を知ることができ、現在、生徒たちに発音を教える時にも役立っていると言います。

 「大学時代、サークルも途中で辞めざるを得なくなるほど忙しかった」と話す西本さんは、アルバイトの他に、知り合いの勧めでBBS(Big Brothers and Sisters Movement)活動に参加していました。これは問題を抱える少年少女たちの兄や姉のような存在として一緒に悩み、学び、楽しむボランティア活動で、「教師を目指す自分には必要なことだ」とキャンパスライフとともに注力していました。「学校が終わると引きこもりの子の家に行って話を聞いたり、琵琶湖に泳ぎに連れて行ったり、相談に乗ったり。レクリエーション研究会で学んだゲームなどが、BBSで活かされることもたくさんありました。全国大会に参加もしながら、時間を見つけてはこのBBSの活動をして子どもたちと接していました。おかげでその子たちとの交流が今でも続いていて、結婚式に行くこともありますし、恩人と言ってくれる子もいるほどです」と、「とても濃くて充実していた」という4年間をふり返ります。

 中学の教師として、また近畿地区会長まで務めたBBSの主要メンバーとして、教員採用試験の面接で応えたとおり子ども達に「Love & passion(愛と情熱)」を30年間教え続けている西本さん。ところが今後はそれを教える方法が教師ではないかもしれないと言います。「この先のライフスタイルを考えてみたら、定年まで教師を務めるのではなく、小学生の頃から続けている剣道の道でのお返しもしていきたいとの想いが出てきたんです」。剣道教士七段の西本さんは、自分自身の礼儀作法や精神面も鍛えられた剣道とその素晴らしさを、幼稚園や保育園なども含めた多くの子ども達へもっと広めたいと考えているそうです。「卒論で研究したジョン・ロックの教育論では、ジェントルマンの育成の傍ら、労働者の育成のことが語られています。もし私が剣道を教える道へ進めば、まさにこの教育論が実現できる。学校教育で全体の力をボトムアップさせて、こぼれていく子がいればBBSで救い、剣道を通してエリートを作る。自分の中でその3つができあがっているんです」。西本さんが伝道師となっている「Love &passion」は、留まることを知らず、今後も多くの子どもたちの心へ届けられていきそうです。