プロフィール
名前:田中 克茂(30期生)
卒業年:1999
学部・学科:経営学部 経営学科
勤務先:一級建築士事務所 株式会社アンビエンテ
役職:一級建築士/株式会社アンビエンテ 所長
ホームページURL:http://www.ambiente-ado.co.jp
Facebookアカウント:田中克茂
コミュニケーション力を発揮して
想いを建物でカタチにする建築士。
大学では学び方も生活もそれまでとは大きく変わるため、自分自身も変化する人がたくさんいます。田中さんもその1人。「大学に入るまではおとなしい方でしたが、追大の自由な校風の中でいろいろな人と関わるうちに、自分を出してもいいんだと思うようになり自然に変わりました」。ターニングポイントとなったという追大のキャンパスライフでは、地理歴史研究会の部長をしたり、文化会本部の学術局長をしたり。リーダーとして積極的に周りの人と関わることで、自分が成長できたと言います。
田中さんは両親が神戸で経営するアパレルデザイナー兼ブティック会社を継ぐため、経営学部に入学。しかし、阪神・淡路大震災が起こり、状況は一変しました。被災地・神戸で、ブティックは必要なくなってしまったのです。卒業前になり「この先何をしようか迷っていた時、ある建築士さんに出会ったんです。その方から話を聞いているうちに、洋服ではないけど建物でデザインの仕事を受け継ぐことができるし、商品在庫も設備投資もなく、これなら自分でも商売ができるかもと思ったんです。会社は継ぐ事は出来なくても会社の思いは継ぐ事ができる、それなら建築の道へ進んでみよう!と考えて」。そこから方向転換をした田中さんは、卒業後に建築の専門学校へ進学。設計事務所での勤務を経て、難関の一級建築士の資格も取得し、2010年に独立しました。
建築設計業界では理系出身者が多いものの、田中さんは文系。「建築を始めたのが遅く技術面で少し遅れをとっていたのですが、自分で技術を身につける、先輩の背中を見て仕事を覚えるというスタイルの事務所にいたので、細かい仕事は教えてもらえなくて…」と駆け出しの頃をふり返る田中さん。しかし、そこで持ち前の機転と気づきから自分の得意分野に気づき、どんどん実力を上げていきました。
「それが、追大で培ったコミュニケーション能力だったんです。設計をするうえで、何もないところからお客様の意向をくみ取りカタチにしていくのが重要ポイント。そこではお客様との上手なコミュニケーションを図ることが大切になってきますが、追大で部長や局長をしたことで身についていたようでスムーズにでき、多くの人からも評価していただけました。相手の個性を見極めて話をしたり関係づくりをするなど社会で大切となることのベースが、追大で養われていました。技術は時間をかけ経験することで必ず伸びてくるので、このコミュニケーション能力があることが、とても強みになりました」
こうして建築士として活躍する田中さんは、保育園や学校、個人の住宅など、さまざまな設計を手がけています。規制がたくさんある京都の立地条件もクリアしながら、いかにお客様の想いをくみ取りカタチにできるか、プロデュース的な立場もとりながら、数々の建物を設計してきました。
そんな田中さんは、昨年から校友会の常任理事に就任。「理系の仕事なので、追大の空気感が私の仕事に活きてきています。初心を忘れず、この文系の感覚を養うためにも校友会でのつながりはとても大切にしたいと思っています。校友会にはいろいろな分野で活躍している方々がいらっしゃるし、先輩方から様々なアドバイスをいただけたり学生とお話しする機会も多いので、ぜひ校友会のつながりを広げていきたいですね」
そう語る田中さんは、多くの人を幸せにする建物だけでなく、楽しい会話と時間を作る笑顔の建築士なのかもしれません。